社風はこうして作られる
渡辺です。
関わるすべての人に満足してもらう。
会社の理想として追い求めるのは良いですが、現実的にこれができるのは個人事業主の規模まででしょう。
一定の規模になったら「最大多数の最大幸福」の視点が必要。どうしたら1人でも多く、少しでも大きく幸福感を得てもらえるのか?と考える。正解はないので試行錯誤の連続ですね。
同じ工務店やリフォーム会社でも、おとなしく黙々と仕事に取り組むのが好きな会社もあれば、イケイケドンドンの会社もあります。
社内の文化は各社てんでバラバラです。
たいていは社長の人格が「社風」として反映されていますが、社長が許可する内容と禁止する内容を見ているとある程度どんな社風なのかを予想できます。
たとえば「おはようございます」の声が小さかった社員に対して、社長が思い切り叱る会社。
例外なく叱っていれば、働く人たちが「挨拶の声は大きくないとダメ」と理解するので全員が大きな声で挨拶するようになります。
でも、社長が「うーん、あいつ声が小さいな…。いつか注意しないと」と思いながらもスルーすれば、その場で叱られなかった社員は「小さな声で挨拶してもいい」と無意識のうちに理解します。
さらに、それを見ていた周りの社員も同じように判断するでしょう。つまり、社長が小さな声でのあいさつに許可を出したのと同じことです。
ついでに言えば「いつかいつかは一生こない」という言葉どおり、社長も10分後には注意しようと思ったことを忘れていると思います(笑)。
社是やミッションとして「お客様満足を第一に考える」といった立派な言葉を掲げている会社は多くあります。
ただ、それを社員が意識して行動しているのか?と言われればほとんどの社長が首を傾げるでしょう。
掲げるだけで終わらせないためには、社長がお客様満足を第一に考えていない行動をしっかりと禁止する。逆に満足度向上につながる行動はしっかり称賛する必要があります。
もし上に立つ人間がその場でスパッと許可も禁止もできないなら、それは本人が掲げているミッションについて普段から考えていない証拠。
どれだけ立派な額縁に入っていても、その言葉がお飾り以上の価値をもたらすことはないはずです。
社長の考え方をくんだ行動を社員がとってくれる。
それを実現できるのも人間性を含めた社長の器の力なのかな、と思っています。